世界で初めての実用的なエンジンを発明したのは、イギリスのトーマス・ニューコメン（1664-1729）です。1700年ころのイギリスは、ヨーロッパの鉱物のおよそ8割を生産していたため、鉱山における湧水の排水が大きな課題でした。ニューコメンは、ボイラー、シリンダー、ピストン、ポンプを組み合わせた、ニューコメンの大気圧機関を発明し、この大気圧機関はイギリスのみならず、ヨーロッパや南北アメリカにも普及していきました。
　時は流れて、このニューコメンの大気圧機関を改良して、蒸気機関を製作したのが、ジェームズ・ワットです。グラスゴー大学で、ニューコメンの大気圧機関の模型の修理を依頼されたワットは、修理をする中で、ニューコメンの大気圧機関の持つ問題点を追求し、長い研究期間を経て、有名なワットの蒸気機関を発明したのでした。